ローリング・ストーンズ入門
ローリング・ストーンズに入門する事は難しい。
これはある意味では、人にねずみ講の相談をする様なものであって
ほとんど宗教に近いものがある。
ビートルズファンの多くは、同時にストーンズも好きな事が多いが
ストーンズファンの多くは、ビートルズは糞くらえだと思っている事が多い為
ストーンズ派とビートルズ派が一堂に会すと揉めると思って間違いない。
当然ビートルズ派も、レノン派・マッカートニー派と一枚岩では無く
ビートルフリーク5人、ストーンズフリーク5人を一部屋に集めると
レノン派、マッカートニー派、ジョージ派、ロック愛好家、ヒッピー
ストーンズは神派、ブライアン・ジョーンズは神派
となって、結局ビートルズ側は神を崇める信徒達の熱心な勧誘によって瓦解
その後、ストーンズに宗旨替えした人々はアンチビートルズ派となって暗躍するのが常である。
では、ストーンズとは何か?何を目指したのか?
それはやはり、ビートルズとの違いによって明確になるものだと私は思う。
ビートルズは、ポップスというものをロックの思想で突き詰めた人々だったが
ストーンズは、最後までブルーズを捨てる事は無かった。
ストーンズはプレイヤーの集まりに近かったからだと言え、
何を最高傑作に挙げるかは、
ストーンズの中にあるブルーズをどう評価するかで意見は割れる。
私の中でのストーンズの評価は、
中毒性もある完璧な名曲も多いが、アルバムトータルで完璧なものは少ない
そんな印象で、こういったバンドは多く
では、典型的なシングルアーティストかというと決してそんな事は無く
なんというか、
アルバムを聴いているとラジオを聴いている様な気持ちになるってのが正直な気持ちであって
なので、好きなアルバム自体が少ない。好きな曲は多いのにである。
そんな私が唯一好きなアルバムが、「アフターマス」で
以下から聴ける。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=DWDCWKFVoJI#at=118
ストーンズの訳の分からなさは、常に現役である事に起因していて
ブルーズに始まり、ロックの雛形を作り、サイケデリックに傾倒し、ディスコにも手を出し
その間定期的にブルーズに戻りなんてな事で、
軸がぶれぶれ。迷走も多く、その辺がストーンズの闇の深さを演出している。
歴史を紐解いても、ブライアン・ジョーンズとC・W・ニコルの謎の交友関係があったり
ゴダールの映画があったり、メンバーチェンジも出たり戻ったりと
ほとんどビバリーヒルズ高校白書状態であって、
途中からは、誰が参加したのか訳ワカメ。
ミックとキースとそれ以外で作っただろう事しか分からない。
私の一番好きな曲は、ジャンピング・ジャック・フラッシュで
この曲は、プライマル・スクリームの「ロックス」に完全に継承されたと思う。
ローリング・ストーンズ「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」
プライマル・スクリーム「ロックス」
ロックスのメインリフは、T・レックスの「ゲット・イット・オン」からの影響も感じられ
ロックスという楽曲自体が、ロックの子供の様な作品である。
そしてこの作品には、更に子供がいる。
それが、
T-BOLAN 「SHAKE IT」
http://www.dailymotion.com/video/x4pewc_t-bolan-shake-it_music
これを、ロックの孫と呼ぶかどうかは各自の判断に委ねるが
ほとんど、児童誘拐、人さらい、神隠しである。
こうしてストーンズは、代々受け継がれていくのであろう。
ちなみに、ヴァーブがストーンズに訴訟を起こされた楽曲の元は、
Andrew Oldham Orchestra - The Last Time
原曲は原曲で素晴らしい。
そしてヴァーブ
少しはストーンズに入門出来た事を祈って