ポケットにイノセンスが入っていない
耳毛を発見した際についでに発見されたのが自分のおっさん化であったのは悲しかったが
先日、ばばあから貰った物の賞味期限をチェックした際にも
いつの間にか失われていたマイイノセンスに気がついてしまって、
子供時代婦人方から食料を与えられた際には、賞味期限という概念さえも曖昧であったのに
折角ご親切で頂いたものであるにも関わらず、賞味期限をチェックせずにはいられないこのマイブロークンハートが寂しい。
そして私のイノセンスが失われた原因は、
実家の土木仕事をしていた頃に、度々食料をくれた小野さんがくれたマロンクリームパンが原因である可能性が高い。
当時、タダで貰える物はゴミでも貰う くらいのハングリー精神溢れる若者であった私は
その時も「サンキュー小野さん」と言ってパクついた訳であるのだけども
一口食べて、おやおやおかしいですよ と思ったというのは
チーズ蒸しパンかな? と思う程に餡と外皮の境目が曖昧であったからで
クリームパンのパンの部分がクリームに侵食されて、それはもうトロトロであった。
賞味期限は4日程過ぎていた。
その後、私はトイレでイノセンスを水に流してしまって
今では疑心暗鬼で日夜不眠、目がギラギラとして筋骨隆々である。