コスパについて思う事

たけし氏　最新携帯に徹夜、ラーメンで1時間行列みっともない

私はビートたけしのコラムを高校時代から何冊か読んでいるのだけど、

今読み返すと悪いインターネッツが今しきりに言っている事をもう何年も前から言っていたりして

やっぱり凄い人だなあと思う。

コスパコスパと言われるようになったのは、２０００年代以降だと思うけれど

ようするに恥の文化というものが失われているってな事なんでしょう。

プライドが無くなったとも言えるし、

見栄を張らなくなったとも言えるし、

それだけ困窮しているとも言える。

私自身千葉県の夢の国とか大嫌いなのでありますが、

それはひとえに行列に並ばなきゃいけないからで。

お前は行列に並んでまでスペースなんちゃらに乗りたいのかよ　と、

そういう内なる声がしてきます。

で、

よくよく考えると行列に並ぶ事や、安いものに群がるという事がなぜ恥ずかしいかと考えると

心の内や、財布の状況、価値観

そういったものが他人に見透かされるからなのでしょう。

そこには他人にどう思われるか？という自意識があって、それはマナーの元になる心の動きだと思います。

ルールは他人から与えられるもの、マナーは自分に課すもの

そうであるなら、恥の文化が無くなりつつある今

マナーの低下も同時に起こっているのは当然だと思います。

また、たけし氏は

>>安いものに飛びつくのだって、昔はどんなに貧乏でも、周りから「あの家、安い店に乗り換えやがった」なんていわれるのが嫌で<<

こう言っておられますが

これは、コミュニティの崩壊も関係しているのでしょう。

東京で仮に行列に並んでiPhoneを買ったとしても、誰に見咎められる訳でもないですし

イナゴは大量発生すると凶暴化するってのと一緒で

人もまた集まりすぎると色々な要因でそうなるのでしょう。

やせ我慢という言葉も、今ではあまり良い言葉ではありませんが

それは一つの美意識であり、意地であり人間の矜恃だったのだと思います。

２ちゃんねるのスレッドの中では、

たけしは分かってないなと否定的な意見が多数でした。

iPhoneに並ぶのは安いからじゃねえんだよ　としたり顔で批判していたり

あれは祭りと一緒でしょ　という意見だったりが目につきましたが

こういう人たちには、

昔の家で何か良い事があった時に、家計を圧迫しても無理して良い肉ですき焼きを食べるという行為は無駄に見えるのでしょうし

時間とお金をかけてわざわざ田舎の墓参りをする事も無駄な事なのでしょう。

しかし、無駄な事を省いていった先の人生に残るのは

やらなきゃいけない事だけではないかなと思います。

そりゃ、生きてるうちのほとんどがやらなきゃいけない事ばっかりじゃ

鬱にもなるし、死にたくもなるでしょう。

そんな私はグラム当たりの値段が安い芋けんぴが最もコスパの高いお菓子だと思っています。