望月ミネタロウ「ちいさこべえ」を読んで

自分探し、個性、ゆとり教育、血液型占い、動物占い六星占術

どこから来てどこへ行くのか自問してきた日々であった。

タンポポの綿を吹きながら、地球は苺の様なものだと悟った。

生命の目的はただ一つ。この遺伝子を宇宙の隅々にまで届ける事なのだろう。

その点で宇宙飛行士は大変偉い。

私が、世の中を変えてやるとギターを手にとったのを猿並の知能とするなら

世の中を変えるには政治家にならないといかんと言って勉強した人をチンパンジー

地球というこの牢獄から遺伝子を開放するのが生命のすべき事やねんという宇宙飛行士は、

もう完全に超人であってかなり偉い。

っつうのは、太陽にも地球にも寿命があるからなのであって、

はぁ?40億年先の事とかまじ知らねえから( ゚д゚)、ペッ

てな考えは三流の考えであって、

今こんだけの技術があるんだから、いずれ誰でも宇宙に行けるようになるっしょ

という舐めた考えの人は、私がNASAなら宇宙船に乗せてやんない。

でも、中学校の頃図書室からダリとゴッホの画集とホーキング博士相対性理論の本を盗んだ私なら

んー、君ホーキングに興味あんの?なら仕方ないね。乗ってよし。

となる可能性が大なので、今はほっとしている。

と個性の話から宇宙の話まで飛躍したが、

ちいさこべえ」は面白かった。

個性とは何か?っつうのを突き詰めて考えた結果

私は、視点 という言葉に落ち着いたのであるが

それをアングルという言葉に変えて思い出されるのが、

小津安二郎である。

つって思い出されるのが、

私が中学生の頃に騙されて買った盗撮ものの似非アダルトビデオであるが

素人完全隠し撮り といって、素人の顔を撮らない様に妙に足元からお尻のカットが多かったっつうのは、

これ今考えると、大分小津安二郎的であったなと思う。

といって、恥ずかしながら小津安二郎の作品を観よう観ようと思ってまだ見てないので

そんな奴のブログは信憑性も糞も無いと思う。


ちいさこべえで特徴的なのは、アングルで

ハリウッド的な王道のカメラワークが一切登場しないと言っていい。

重要なテーマとなっているのが人情と意地であり、

悔しいという感情を握りこぶし一つで表現していたり、

フラッシュバックで父親から言われた一番大事な言葉が、

現在の空に大きく浮かぶシーンであったり、

どのカットもその選択に作者の意図を感じる。

また、動線が極端に少なく

たまーにある動線があっても、それが狂言や能と同じ様な感じで

生活の中の小さな動きが非常に大きく感じられ

それが物語的には激動と言ってもいいはずなのに、

主人公を外から眺めている私達には、極めて静かな物語の印象を与えるっつうのは

主人公が周りから何を考えているか分からない人という印象を持たれているのと同じ効果があって、

しかし、主人公が内に秘めた闘志を持っているのも私達は知っているので

静かな画面のその握りこぶしが、とても印象に残り

さらーっと進んでいる様に見せかけて、実はかなりの熱血漫画だという

この漫画の作り自体が、私には新体験という感じで

まだ2巻しか出てないから、3巻が出る頃にはまとめて3冊買おうと

強くこぶしを握りしめるのでありました。