「ルーパー」を鑑賞して

映画の尺っつうのも、本来作家が一点ものとして作るべきものだろうに

残念ながら現在では、大体が1時間45分から2時間30分までの間に収まってるってのも

これ経済。

あそこで終わってれば完璧な映画だった ってのは誰しもが思った事はあるはずで

私の場合で言えば、

「マイノリティーリポート」は、45分くらい経って自分が殺しをしてしまうシーンで唐突に終われば完璧だったなあと思うし

ソードフィッシュ」なんかも、冒頭の漫談から360度回転のシーンで終わってれば完璧で

てな感じで、映画の場合上映時間が長いからといってそれがサービスにはならんっつうのは

ものには最適なサイズっつうのがあるからで。

例えば、カラオケフリータイム なんてのがあって

2時間2500円だけども、フリータイムは3000円で

好きなだけ歌って良し と言われると、我々庶民は

限界まで歌うのだけども、しかし4時間を超えた辺りになってくると

大体歌いたい曲は歌い終わり、ビートルズを最初から順番に歌っていくだとか

誰かが歌った歌手の他の曲でも歌うかなんつったり、

メドレーを入れたところ、サビだけがガンガンに回ってきて

存分に楽曲を楽しむよりも、あたふたしてしまって残念な気持ちになったり

私の場合で言えば、採点で100点を取るまで帰れま10をしようなんつったばかりに

精神、肉体ともに疲れ果てた挙句

何の使命感か分からぬまま、私は「君が代」を歌い

99点を叩きだしたのは良いものの、

どうせなら100点を出そうとなって、

非常に丁寧に朝5時に「君が代」二連続で歌い上げ、

100点を取ったところ、

充実感よりも、徒労感の方が大きく

最早これは拷問。

カラオケの刑であって、フリータイムっつうのも最終的には耐久レースみたいなものに成り果てるのである。

例えばこれが食べ放題であっても同様で、

どんだけ食べても料金に変わりが無いのだからして、

食べれば食べる程にお得っつうのは、これも罠で

最終的には、もう食えません ごめんなさい 許してくださいという気持ちになるっつうのは、

私が貧乏症だからなのか。


映画の場合も同様で、

15分の映画に1800円払うのはもの凄く嫌なのだけども、

まあそんな映画は、「アンダルシアの犬」くらいのもんだろうけども

5時間の映画を観るっつうのも、もうちょっと短くならんのかねと思う訳で

がしかし、名作と呼ばれる作品は3時間を超してくるものがあって、

観るのにも気合とコンディションが必要で、結句後回しにしてある。

そんな訳で、「風と共に去りぬ」をいつまでもほっぽらかして

「ルーパー」を観た。

主人公ジョセフ・ゴードンなんちゃらは、30年後の自分がブルース・ウィリスだという設定を

どんな気持ちで受け入れたのだろう。

案の定ブルース・ウィリスはハゲ散らかしている訳で、

ジョセフなんちゃらは、どっちかというと知的な窪塚卍洋介タイプであるのに対して

ブルースのおっさんは、ゴリゴリのマッチョマンであって

キャスティングはこれで良かったのか、観終わった後も良く分からない。

個人的には好きな映画だった。

特にルーパーというものの仕事のシーンがシンプルで格好良かった。

まあ、観なくても良い部類の映画ではあるけども

観ることで、こうしてブログを更新出来たので良かった。

楽しかった。