日本の音楽について思うところ

今までまあまあの数のライブをしてきて

共演したバンドは適当に見積もって1000以上は確実にあって、

その中でこの人達は凄いなとか良いなと思ったバンドは一つ二つ位のもんだった。

70年代から90年代の中頃までの日本の音楽が面白かったのは、

インディーズというものが選択的結果によるものだったからだと思っている。

つまり、メジャーな世界で音楽をやる場合のしがらみからの脱却を意図して

あえてインディーで音楽活動をするというのは矜持やプライドがあったからで

それは猫も杓子もメジャーデビュー出来たからという音楽業界の豊富な体力と、バンドの絶対数がそこまで多くなかったからという理由だろうけど

現在の状況はというと、

メジャーレーベルから声がかからない人達の巣窟と化していて

それはつまり、インディーという選択肢を選ばざるを得ないという事で

そこに多くの問題点があると感じる。


簡単に言うと、メジャー志向のインディーズバンドが巷に溢れている事で

メジャーな音楽を嫌った人がインディーズに手を伸ばした所で、そこにあるのは劣化メジャーバンドでした

そんな状況に出くわすという事だ。

例えるなら、メインストリームはJリーグで言うところのJ1であり、インディーズはJ2でしかないという事で

本来であれば

メインストリームはメジャーリーグで、インディーズは高校野球というのが理想的な住み分けである。


マチュアだけど演奏が巧いバンドが世の中に腐る程あるというのは、

多くのアマチュア楽家の均質化を招いているだけであり、インディーズだから出来る事という視点が無くなり

プロの多くがそれだけでご飯を食えない状況もあり、

技術的な部分での差別化を図れない為に、

プロより巧いアマとかアマより下手なプロとか訳が分からない。


プロとアマの垣根が曖昧になったという事をプロのハードルが下がったという意味で考える人が多い様に感じるが

実際はアマチュアのハードルが上がったという事である。

私達がライブをする際、比べられる相手は他のアマチュアバンド等ではなく

レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンレッド・ホット・チリ・ペッパーズ

クリームやマイルス・デイビスジミ・ヘンドリックス

そういった相手と比べられる時代になったのであり、

メジャーのフォロワーをしているだけの糞バンドは今後淘汰され

メジャーには無い面白さを追求出来た人たちだけが生き残るのでは無いかと確信している。


年末にやったライブでは、何の用意もしないままに

津軽弁のフリースタイルラップに挑戦した私であるが、次回に期待出来る敗戦だったなと涙を拭いました。

今年は良いことがあるといいな