6月16日 ライブ終了後

ライブがどの様なものだったかはここに記さない。


ステージを下りて、ギターをケースにしまったりカーディガンを羽織ったり、

メンバーとおつかれサマンサタバサしていて、ふと気づいた。

「ちょいちょいちょいちょい」

「ん?」

「あんさあ、なんかさ、体軽くね!?」

「!?」

「やべぇ!体軽い!!!」

「体、超軽いよ!」

アホ丸出しで私達はそのゼログラビティを楽しんだ。


私達がバースペースに戻るとそこに竹内さんとナオト・インティライミとその彼女があって、健闘を讃えて頂いた。

私達が呼んだお客様のうち帰るという人をどんどんと見送った。

その後、お酒を飲み色々な話をしている中

私にカリスマ性が無いという事が発覚し私は狼狽えた。

そんな事ないよ カリスマ性あるよ 大丈夫だよ 逸材だよ

の懸命なフォローで私は泣いた。

ストレートに賞賛される事の少なかった私は、

井神さんが言った 逸材だよ という言葉が非常に好ましく、

もっと、もっとおかわり頂戴と思ったがその後賞賛の言葉は無かった。

竹内さんはいつも通り饒舌で、

知らない人が見たら、この人が今ライブしてきたんじゃないかというテンションの高さであり

その光景を久しぶりに見ると、この人シャブでもやってんじゃねえのかと思った。


ライブをすると人が集まる

単純な事ながら人を集める為にまたライブをしたいなと思った。

ライブ見たかったなあ という人が多くいればきっとまたやるだろう。

次もまた必ず観に行く という人が多くいればきっとまたやるだろう。

どの様な形であれ私が音楽を作らなくなる なんてな事は死ぬまで無いし、

あえてバンドを解散する事も無い。

私がステージ上で思ったのは、

こんなに人がいて観てくれている という事で、

それが物凄く嬉しくてありがたかった。

来てくれた人には本当に感謝している。

私だったらたぶん行かないから。

名前も売れていない、誰かもよく分からない、そんな私達のライブに

少しでも期待してくれてありがとう。


私はその日帰るとアフロ氏に不用意に司馬遼太郎の話を振ってしまったが為に、

坂本龍馬の話は珈琲を淹れてからにしましょう と言われ、

ライブを終えた充実感の中、朝4時頃まで幕末の話を聞かされた。

彼は、

いやあ 幕末の話が出来て良かったわあ

と満足気な表情で眠りについた。


長い1日だった。