エル・トポを観た

観ていて何となく思ったのは、ドラクエ2的な雰囲気で

何をどうやったらフラグが立つのか分からんままに、

ただただ街を徘徊し、そこらの人々に話しかける無為な時間。

魔王を倒す なんてな当初の目的はどこへやら、

いつしか人々に話しかける事が目的化していき迷走。

3日くらいそんな状態でいたら、何が良かったのか分からないままに

いつの間にかフラグが立っていて、良く分からないままにゲームが進む。

そういった雰囲気。

そして、

全てのシーンが儀式的であるという事。

儀式というのは、あるルールに則って行われるが

そのルールが私には見えないものだから、一々物語に引っかかりを感じる。

その辺が、演劇っぽさであったり 舞台っぽさであったりするのだろうけども

つまり、今ある通常の映画であれば

場所があって、人がいて、そこに物語が生じていて

カメラはそれを覗き見るってな格好になるのだけれども、

エル・トポの場合、

場所は用意した 人も用意した カメラもある

さあ、何をここで撮ろうか?

一々そういった感じ、印象を私に与えるのである。

大抵の監督の場合、

ある画を撮りたくて話を練り、うまい事その画が撮れる様に話を紡ぐのであるのだけども

つまり、点と点は決定していていかにその点を繋ぐ事が出来るか という部分で話を語るのだけれども

エル・トポの場合は、

こういう画が撮れた という結果に対して、

さあ次はどうする?という感じで話が進むので、

話が進む度に、無駄に頭を使わせられる。

そして、出てくる舞台、設定、役者が常にシンボリックであり

それが何というか、いかにも ってな匂いを感じさせるのであって

はっきり言って、

観て良かった と言える作品では無かった。

しかし、

観ておいて良かった と言える作品ではあった。

つまりは、そういう作品でございました。