一匹目のどじょう

ダイ・ハード的なものを一時期目の敵にして、

ジャッキー・チェン、シュワルツネッガー、スティーブン・セガールを並べては

苦い笑みを浮かべる等していたのであるけども、

今、ハリソン・フォード主演「パトリオット・ゲーム」を観終わって、

やはり、「ダイ・ハード」は名作であったなあと感慨に浸っている。

つうのも、アクション映画の終わり方と言って私が心に浮かべるのは

ダイ・ハードの終わり方が正にそれであって、

主人公は怪我をして、救急車に乗り込むまで得意のアメリカンジョーク等を飛ばして

我々をほっこりさせ、妻や恋人とアイラブユー的なあれをして

ほんで救急車に乗り込んで、それをクレーンカメラで上昇しながら撮って

段々と画が小さくなり、街の遠景にパンして暗転

そういうものの雛形を作ったのが正にダイ・ハードで、

しかし2作目以降、個人的に好きなのは3作目なのだけども

2,4,5作目は、凡作中の凡作と言って差し支えない出来であり、

何故そうかと言うと、

1作目でマクレーン刑事を外から支える心の友として活躍した面白黒人枠の人がいるのだけども

それを何がどう間違って解釈されたのか知らんのだけども、

何故かダイ・ハード=バディムーヴィーとなってしまって、

4作目では謎のパソコン博士、5作目では謎の息子と完全なる共闘となって

ダイハードメンというのは、本人が不死身であるっつうのはまあ良いとして

何故か一緒にいる相棒までもが、神のご加護か何なのか知らんけども

ダイハードメンと成り果てるのであって、

そういう意味で、2作目以降はブルース・ウィリスの存在が霞んでいるのであり

いつの間にか厄介事に巻き込まれるっつうのは良いとして、

そのパートナーがあまりにも手頃に過ぎるというか、燃えない展開であり

その辺を持ってして、ダイ・ハードは1作目で終わるべきであったと言える。


パトリオット・ゲーム」は、大量生産という言葉が思い浮かぶ程に

何の捻りも無く、定石だけで終盤まで行ったどこにも特色の無い映画かと思って観ていたのだけども

最後の最後、一番最後のカットが実に良く

私はこれだけで、観て良かったなと思えたのだけれども

人一杯死んでる癖に実に素敵な終わり方をする映画として

私は胸の奥に刻んだのであって、

あと、ハリソン・フォード関根勤に見えてしょうがなくて困った。

確実に観なくても人生損はしない映画であります。

あ、

ちなみに「きっと、うまくいく」観ましたけど

とても良かったです。