意外な程に当然

想像が現実になったのをこの目で見たとき、そこには

現実が持つ圧倒的な現実感と説得力に驚くと共に、

起る訳が無いとは言い切れないものの、

本当に起こりやがったという心は、極めて非現実の空気を帯び

何というか、漫画だな と着地し、溢れるのは笑いである。


私は自分の車が今まさに目の前で燃え盛り、黒煙をもくもくと昇らせ

度々の小爆発をしている光景を見た時、

何故だか全く理解出来ないが、人生でこんなに笑った事は無いという位笑っていた。

一緒に乗っていた二人も同様に笑いに笑って、腹が千切れるとはこの事かと

今は目を細め煙草をくゆらせている。


先日見たのは、ビデオ屋で年の頃は2、3歳の外人の子供で

マミー、マミーと日本人の母親にしきりに呼びかけてあって

ああ、子供は英語で教育しているのだな と思っていると、

うわぁ 子供でもすんげぇ英語喋れるんだなと驚く程早口で何やら喋り出し

若干、自身の英語コンプレックスを刺激されるも

まあ相手は外人と割り切り、でっかくなれよ リルボーイの気持ちでその場を後にした。

歩き出して間もなく響いた大きな声に私は、はっとした。

「エンペェンメェーン、エンペェンメェーン」

子供が親にねだる時特有の無邪気ながらもしっかりとした主張のある声に

あぁ、悪いインターネッツで見た事がある奴やと既視感にとらわれながらも、

やっぱ外人の子供なんやなと思い、

非常にお得な光景を見た感慨があって私は嬉しくなった。


通常外人の子供を育てる場合、外国で育てるのであれば

ミッキマウスだ、トムとジェリーだとなるのであろうが

それがここ日本だとエンペンメンになるというのは、

意外な程に盲点であった。

幸あれ