歌謡曲に心惹かれる私

演歌はロックじゃない

と吐き捨てセックス・ピストルズを愛し止まない中学二年生だった私に今言いたいのは、

演歌もロックじゃい という事で、今の気持ちは亀田興毅気分。

もっというなら亀田興気分

つまりは亀田大毅の兄貴分である。


ここ最近、関ジャニの仕分け∞を拝見する事が多く

先日は細川たかしがカラオケで喉を自慢していた。

ただちに影響を受ける私は、細川すげえなと目を輝かせ

細川たかしはスティーブン・セガールに似ている事を発見した。

そこで改めて歌謡曲を聴き直してみると、やはり作詞と作曲のレベルが高次元で融合して御座いますねと

襟を正した次第である。


そこで細川たかしの名曲 「心のこり」を分析すると

Aメロ後半の「命をかけて」の捻りがうまい。

上昇メロディー中心で前半を組み立てて置きながら、突然の同音4連発。うまい。にくい。

そしてコード進行をみてみると、Aメロの最初と最後が同じで

なんとサビの最初のコードも同じコードを使っているのである。

これが非常に良く出来ていて、普通の手筋であれば4度上のコードに上がりたくなるところ

今の手筋であれば、サビへの架け橋として一旦落とす筋が濃厚であるのに対して

コードをステイさせながらドラムが盛り上がる事で、

雰囲気が維持されて、なおかつ無駄な筋を介さない事でスピード感を得る事にも成功している。

実際 トータル3分という曲の構成は、ほとんどパンク並の短さで

沈黙の艦隊 細川たかしという男が、女言葉で女心を唄うというギミックも合わせて考えると

正にロックだと言える。


次にちあきなおみの「喝采」にも最近心を奪われていて分析してみた。



この曲でまず思ったのは、アレンジが非常にソフトロックっぽいなという事で

コード進行もギターポップで使われるものと変わらず非常に現代的だ。

作曲的にみると、Aメロは非常に低い音から入り一瞬で急上昇するのが特徴的で

これはくるりの「バラの花」でもみられる。

一番うまいなあと思うのは、

Bメロの入りをAメロの最後のコードが変わる大分前から唄う所で

アレンジの盛り上げ自体がBメロに入る前に終わっているってのが凄い。

時系列でみると

Aメロ終わり→アレンジの盛り上げ→Bメロの歌い出し→Bメロのコードに変わる

となる訳で、

通常はBメロのコードが変わる所まで盛り上げるアレンジを継続するのに

その前にBメロの歌が入るので、そこでさっと引き上げる事で歌詞が聞き取りづらくなる事を防ぐようにしている訳ですね。

で、歌詞がまた凄まじく

ショービジネスの悲しさと欺瞞を直接的に咎める事なく、

恋の歌を歌っている歌手の歌を唄うという二重構造で表現するという非常に奥深いもので

正直このレベルの曲を聴くと、参ったな と思いますわん