妥協

人が妥協している所を見るのが好きだ。

好きで好きで愛していると言ってもいいくらいだが、いかんせんそういった場面は少ない。

何故好きかと言えば、その人の人間性が顕著に現れるからである。

人を怒らせても人間性は見えてくるが、いつでもへらへらが信条の私には無理だ。

部屋を見てもその人の人間性は見えてくるが、

妥協する様には悲しさと前向きさが同居しているので、それは一遍のドラマを見ているようだ。

まず日常的に妥協が多い行為といったら、何と言っても食事だろう。

むしろ食事の時くらいしか人は妥協しないと言ってもいい。


例えば、

寿司を食おう! となって寿司屋に来たところ閉まっていた場合


1,別の寿司屋にしようか?(寿司原理主義派)

 これは寿司を食おうと決めた時には寿司の口になってんねん!という論理から、別の寿司屋で妥協しようという主義で世の中には最も多いと思われる主義である。


2,近くの別のご飯屋にしようか?(ご飯至上主義派)

 これは寿司を食おうと決めた時点でご飯の口になってんねん!という論理で、普段からラーメン他の麺類を遠ざけた生活が主軸になっていて、特に夜ご飯の時に顔を出す場合が多い。また、寿司原理主義者が次の寿司屋も閉まっていた場合に実はご飯至上主義者だったと発覚する場合もある。


3,近くの適当な店でいいや(腹が減っては戦は出来ぬ派)

 これは寿司を食おうと決めた時から、もう頭の中がご飯で一杯だよという人達で何はともかく、早くご飯食おうぜというせっかちな人に多い派閥である。その際、寿司がダメならもう何でもいいやという投げやりな態度が周囲に不快感を感じさせる危険があるので注意。


4,じゃあもうマックでいいわ(アメリカ人)

 これは寿司が食えないとなった時には、次はもう店が閉まっているなんて嫌だよ2度目は無いよという主義の人で、24時間営業していて、場所も正確に把握しているし値段も安いんだから、マックしかないでしょ!と合理的な判断を下すアメリカ人そのものと言っていい人達で、一人殺した後は二人も三人も一緒だろという妥協の種類が日本人には分かりづらく、かつマクドナルドに絶大な信頼を置いている
人種の事である。


5,最悪そばでいいわ(調味料至上主義派)

 これは、寿司はわさびを食う為の口実に過ぎないよと言った人達でかくいう私も調味料至上主義である。傍目には、妥協のラインが分かりづらいけれども一旦主義が知れ渡った場合一貫性があるので行動原理に予測がつきやすい。例えば、ミートソースを食おうと思っていたのにミートソースが無かった場合、和風パスタでは無くピザを選ぶという具合になる。この場合、あぁタバスコが食いたかったんだなと周囲は生暖かい目で見守って欲しい。



この様に人は多くの思考パターンで妥協する。

時には、なんでやねんという妥協にも遭遇するだろうけれどもその際は是非、
この人はどういう思考を経てそうなったのだろう?とサンプルを集めるつもりで
その妥協を見守ってあげると良いと思います。

妥協を見る事により、その人が何を大事にしているのか?どういった順位付けをしているのかが手に取るように分かりますし

個性というのはそういった時に表現されるものと考えます。


妥協まみれのブログにお付き合い頂きありがとうございました。