ロック編

ロックとは何か?

それはある意味では内田裕也の事ですし、

ある意味では土屋アンナの事かもしれません。

定義としては、若者の反抗云々だとは思いますが

一口にロックといっても、

内田裕也からオアシスまでと間口も広くまた、

70年代以降はパンクがロックにとって変わり、

ロックンロールとロックは別のものを指す言葉になってしまいました。

私の中でのロックとは、

同時代的であり、先鋭的なもの というイメージでしたが、

ストロークス以降、その期待に応えるバンドも見当たらず

私が音楽への興味を失っていく事と、ロックが退屈になった事は無関係ではありません。

ロックの魅力とは、新しい事への挑戦であり

それはつまり好奇心の探求であります。

なので、色々なものを飲み込みながら変化を遂げていく様は

音楽の進化と切っても切り離せないものでした。

そして、ロックと言って初めに思いつくのは

レッド・ツェッペリンフィジカル・グラフィティ


レッド・ツェッペリンだと言うと、今ではバカにされますが

ロックとは何か?というものに的確に応えられるのは彼らを置いて他にいません。

彼らの歴史は試行錯誤と実験の記録であって、

解散するまでその歩みは止まりませんでした。

ブルーズから始まり、ハードロックの原型を作り、民族音楽を取り入れながら

プログレッシブロックまでたどり着くその軌跡は、

進化こそがロックだと言っている様です。


また、ギタリストのジミー・ペイジに関しては

ギターが下手糞だとジェフ・ベック派には忌み嫌われますが、

いやいやあれは下手うまだよの擁護派

いやいやリフを作る才能がスゴイんだよの論理のすり替え派

いやいや一周回ってやっぱりうまいんだよの俺は分かってる派

いやいや二周回ってやっぱり下手なんだよの俺だけは分かってる派

でもでもリフはなんだかんだでスゴイじゃんの争いに疲れた派

てかてかクラプトンの方が味があるよねのクラプトン原理主義

じゃあみんなでヤードバーズ聴こうぜの中立派

でも今考えると当時あれだけの事をやってたんだからの懐古主義派

と、数々の論争を生み出したしたのも

彼がギターキッズに与えた影響の大きさを証明するでしょう。



レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン

ガツンとした衝撃。当時中学3年生でレッチリがカッコイイよねと言っていた私に

ロックってガチなんだな

と勘違いさせる原因になったアルバムです。

リフこそがロックなんや!!

レッド・ツェッペリンで学んだ私は、奇抜なギターや怖いラップの人がどうというよりも

矢継ぎ早にキャッチーなリフを重ねていくこのスタイルに、心底惚れました。

また政治的なメッセージを攻撃的に繰り出すラッパーに、

これは戦いなんや!!

と胸を熱くさせ、ゲバラ毛沢東に入れ込む真っ赤な中学生が誕生しました。

正に赤っ恥ですが、後悔はしていません。


レディオヘッド「OKコンピューター」


新しい音楽を常に求める私に、これは新しい!と衝撃を与えたアルバムです。

当時、最新の音楽はケミカルブラザーズやプロディジー等のデジタルロックと言われるものが主流で

ロックは死んだんや!

と思っていた私に、

実は生きてたんや!

と教えてくれたのはレディオヘッドでした。

テクノ側からロックへのアプローチが盛んに行われるなか

ロックの中にテクノ的なものを内在したこの音楽は、

当時最も新しく、曲や録音の完成度からも

今でもロックはこのアルバムを超えるに至っていない様に感じます。

なんと言っても音が良くて、

それだけでも聴く価値があるのではないでしょうか。

この後ロックは、同様の方向性ではありますが

スーパー・ファーリー・アニマルズ「リングス・アラウンド・ザ・ワールド

という傑作から

リバイバルという時代に逆行したムーブムントの為に求心力を失う事になります。

アーメン