コマネチ論

ビートたけしの物真似をやってと言われて咄嗟に出るのは、

1、コマネチ系

2、バカ野郎系

以上の二つに分類される。

コマネチに見られる物真似では、一瞬の瞬発力が必要とされ

また、逆に言うと瞬発力だけが求められる為に

そこまでのたけし観は必要とされない。

むしろ妥協的現実主義的であるとも言え

コマネチやっとけば良いんでしょ的な、ビート崇拝の欠如が垣間見られる。


では、バカ野郎系はどうかというと

こちらは、バカ野郎に繋がるバックボーンを必要とされる場面が多く

一般的には、

「ダンカン、バカ野郎」の形で用いられるように、

そこには必ずバカ野郎と言われる対象が存在する為に

ストーリー性が生まれ易い。

それ故に、より軍団内部の事情に精通している事が求められ

またその対象を変えるだけでバリエーションも団員の人数分まかなえ、

拡充性が高く、団員のチョイスの仕方でよりTPOに則ったたけしを披露する事が出来るという利点がある。

一般的には、たけし愛の高い者程こちらの系統をチョイスし易いという傾向が見られるが

技術とセンス、知識を問われる為に

付け焼刃のたけし力では、怪我又は事故になり安く

中級者程この罠に陥り易い傾向が見られ、

ちょっとたけし力が付いたと思って安心していると、

いきなり喉元から義太夫のチョップが入るのだと思って

今後 たけし道を進んで行く者たちは、日々これ精進の精神で

コマネチであるならば、そのキレ・タイミングの研究

バカ野郎であるなら、その物語性・奥行き

存分に吟味し、邁進していって下さるよう

お願い申し上げます。