パンク論

パンクとは何か? これを考える事は、これからの音楽ないし芸術を考える事とほとんど同じ事だよ

パンクとは何だったのか? これは簡単に言うと

成熟した文化へのカウンター という事になるんだ。

音楽の歴史からみてみると、そうしたカウンターがパンク以前は無かったか?というとまあ、あったんだけどね。

例えば、エルビス・プレスリーとかビートルズとかさ

ほいで、そっから分かるけど音楽はいつも10代の為にあったんだ。

少なくともその時代時代に最もラディカルなものが、若者の心を揺さぶってて

プリンス、ボブ・マーレーマイルス・デイヴィス、そういう音楽は

レベルミュージックでさ、若者の多くが抱える反体制的な趣向に合致した訳なんだよ。

んでんで、

芸術ってえのは、これ常に新しいものは反体制側から出る訳なんですよ

何でか?って言うと、芸術の一番の根っこにあるモチベーションってのが

みんなと一緒じゃ嫌だ っていうエゴがあるからなんだね。

いやいや、モチベーションはそれだけじゃないよ!っていう人もいるだろうけど

根本は必ずそこに行き着くんだよ。

だって、みんなと一緒でいいって言うなら、創作なんてあり得ないからね。

創作というのは、今までに無いものを新しく創り出す事な訳だよ。

そうなってくると、新しい音楽っていうのは常にアンチメジャーな所からしか生まれないって事になるんだよ。

で、じゃあエルビスとパンクの違いは何か?ってなるとね

エルビスは新しいものをつくった 事に対して、

パンクは古いものを壊した って事なんだ。ここ重要ね!

パンク自体に音楽的新しさがあったか?と言われると、

絶望的に無いんだよこれが。。

で、じゃあパンクが壊したものっていうのは何か?っていうと

それは、成熟した文化 だったんだよ。

これがすごくやっかいな事な訳です。

何故なら、文化は必ず成熟するから。

それはつまり、パンクも成熟するって事なんだけど

今まで、プラスプラスの連続で動いてきた文化に

初めてマイナス、つまり退化の動きを見せたのがパンクだったわけなんだよね。

で、ちょっと文化が成熟するとこのマイナスの動きも当然出てくる訳だけど

それはもうね、[[パンクがやっちゃった事]]なんだ。

で、やっかいな問題っていうのは芸術の最初の動機と強く関係してくるんだけど


1、10代の若者は常に新しいラディカルなものを求めている

2、ラディカルなものは、メジャーへのカウンターでなければならない

3、芸術は、他人と同じ事をしてはいけない

4、マイナス方向での進化はパンクがやってしまった

結論としては、

芸術はもう過去を破壊する事は出来ない って事になるんだよ。

何でか?それはもうパンクがやっちゃったから。

で、今現在僕たちが困っているのは

プラスにもマイナスにも進めないっていう所なんだよ。

成熟しきってしまった僕達は、時計を元に戻す事も出来ないで

さらに成熟しようともがいている状態なんだ。

で、さらに成熟するって事は

それもう

腐ってるって事なんじゃないか?っていうね

まあ、そういう大変な状況なんだ。

あと、補足しておくと

マイナス方向に進化出来ないラディカルな音楽ってなると、

それは必ず知性が無いと駄目なんだ。

歴史を学び、その中から何が新しい事かを見極め無いといけないからね。

で、問題点があってそれは、聞き手とか受け手にも知識が必要とされる事でさ

何が問題か?って、

決まってるじゃないか。

10代なんて全員バカばっかりじゃないか!!

僕の10代なんて、車燃やすか、車を田んぼに落とすか、車を田んぼから引き上げるかしか無かったんだもの。

いつだって、若いっていうのはバカっていうのと同じなんだ。

ね、なかなか深い問題だろうよ