プレミアム会員の彼にあてた音楽を旅する為の瑣末な地図

これから記述するのは将棋好きの彼に対しての若干の示唆と、

私の中での洋楽、邦楽問わずの必聴盤についてであります事よろしくロックンロール。


音楽は将棋と大変に似ています。

矢倉戦の様なガチガチに定跡化された将棋では、誰がどの道を開拓したかも記され

新しい手に対しては様々な考察をしてと、知識が堆積していくように、

音楽の世界でもそれは当然あります。

コンピューター将棋が近年めきめきと強くなったのは、

評価値がプロのそれに近づいたから とお分かりでしょう。


優れた音楽家のほとんど皆がまた、優れたリスナーであり優れた批評家であるのは、

才能があれば有る程に、才能のある人と自分のする事が似通ってしまうという事を

本能的に察知し、また先人の歩いた道をそのまま自分がトレースしてしまう事を恐れているからで

それとは別に、音楽からしか音楽のインスピレーションを得られない等の理由によって

優れた音楽家程、優れた音楽を知っています。

故に、優れた音楽家が辿った道を通る事で優れた音楽を知る事になると言っても良く

ポール・マッカトニーが娘3人にペット・サウンズを買い与えているという逸話なんかは、

ペット・サウンズのステレオボックスを買った人にしか分からないナイスエピソードであるので

ボックスセットはコスパが悪いなんてな事は言わず、

フィル・スペクターのボックスセットなんかは買っても良いと思う。

ちなみに、BACK TO MONO バッジが入っているので私はとても良い買い物をしたと思うけども

実家に置いておいたら、全部捨てられたので

結局残ったのはバッジ1つ。

6000円でバッジ一つをコスパが悪いと思うかどうかは君の判断に任せたいと思う。


あと、プレミアム会員のあなたは既に西尾先生が解説するコンピューター将棋世界選手権をご覧になっていると思うが

一見何でこんな手を差したのだろう?という場面であっても、

深く洞察すればそこに何らかの意図がある事が分かるのであって、

音楽においても全く同様で、

プロが使う機材においては最早チャンネルというリソースは、ほとんど無限なのだけども

音楽も基本的に無駄な音が鳴っている事はまず無いと言って良く、

全ての音には人間の意思が介在してある。

一見完全に無駄な音の様に思える事はあっても、

そこには必ず意味があって、それを読み解く事も楽しさの一つと言えるでしょう。


理解出来ない音楽を聴いた時、俺は駄目な奴だと思う事もあるでしょうが

理解させない事を意図した音楽もこの世にはあって、

理解出来ない事を理解する事もまた面白いので、

是非とも私の事は嫌いになっても、音楽の事は嫌いにならないで欲しい

そういう訳で、必聴盤を次の記事にわーっと書き記しますぞ