復興と新生活

今週のお題「新生活」

復興が進まない 早く復興させやがれ

という意見が多く聞こえる。

復興が進まない事の原因は何か?

これの本質的な問題は言語の定義にあると私は考える。


復興とは、衰えたものの勢いを再び取り戻すこと という意味であって

そもそも勢いが無かったがな という問題を置き去りにしている。

つまり、復興問題は以前からあった過疎化問題を内包している。

震災はあくまでもきっかけに過ぎず、一度過疎を起こした場所を再び繁栄させる事が至難だというのは

大都市以外の過疎が深刻な事から容易に推察できる。


街を捨てることを決めた人 残る事を決めた人

双方存在しながら、問題は残る人のインフラ及び生活基盤をどうにかしてくれないと困るよという事が焦点であるが

そもそも過疎という問題があった為に、そこに規模の問題が発生してくる。


1万人いた街に合わせて街が発展し、過疎で8千人になりました。

津波が来て、今は5千人になりました。

では、街を1万人いた頃と同じ規模で整備するのが正しいのか?

元に戻して欲しい という声は、1万人いた時と同じ街にして欲しいという風に聞こえるが

実際問題、人の規模に合わせて街の規模を決めない事には

それを維持することが困難なのは自明である。

そういった事の上に、

宮城の県知事は「僕の考えた最強の堤防」を作る事を決めてしまった。

資材も人材も不足する中、そんな事になってしまっているので

堤防が出来ない事には、どの程度の減災を考えれば良いのかも分からないし

堤防の工期が長い上に、反対も多いので知事が変わって堤防が完成しない可能性もあるとなれば

何にも手がつけられない宙ぶらりんの状態であって

復興が進まない とか言うと軸が多すぎて訳が分からんけど、

堤防作るのやめろ と言った方が話が早いという事で

そんな私は円形脱毛症を患い、堤防決壊で日々枕を濡らす新生活です。